ジョン・クラーク氏はNIDA(The National Institute of Dramatic Art);オーストラリア国立演劇学院の院長で、講演は学院の規模、構成などの紹介に続いて、創造力の育成を第一におく演劇人の教育についての報告であった。この学院はオーストラリア政府によって設立された演劇人養成の専門機関で、演劇に関わるあらゆる分野を総合した教育施設であり、4劇場、7リハーサル室をもっている。といっても、大学とは完全に一線を画しており、教師は演劇の現場に関わっている第一線の専門家が1年~3年契約で担当しているとのことであった。入学者の選定には教官が二日間付きっきりで適性を判断して決めるなど、徹底した専門家教育体制を貫いている。