音響設計の流れ
計画から基本設計までの段階における建物の性格、グレード、予算配分および室の配置、形状などの条件によって、基本的な音の質(あり方)が決定されます。従って初期段階から音響の専門家が参画することが、良い音を生み出す重要なポイントです。 当社は豊富な経験と実績に裏付けられた数々のノウハウを持っています。そして、コンピュータ・シュミレーション、模型実験などの最新の音響技術を駆使し、企画から竣工に至る各段階の適切な時期に、建築意匠、構造、設備との関連を踏まえたマクロな視点から、設計、監理を行います。
1. 基本構想・基本計画
ホールを含む施設の規模や構成、ホールの性格付けなどについて、これまでの数多くの経験・実績をもとに、その基本構想・基本計画の段階より音響面からのアドバイスを行います。
- 類似施設の調査
- 立地条件、市場等の調査、検討
- 施設の規模、構成の検討
- ホールの性格付けの検討
- ホール舞台設備の基本計画
2. 基本設計段階
ホールの配置計画や遮音計画、騒音防止計画、ホール室形状等の室内音響計画、電気音響設備のシステム計画など、ホールの音響にとってはその骨格が決定される非常に重要な段階です。
- 音響設計目標値の設定
- 敷地周辺における騒音・振動条件の検討
- ホールおよび周辺各室の配置、遮音計画
- 遮音、防振についての基本計画
- ホールの室形状、寸法の検討(コンピュータ・シュミレーションを含む)
- 設備騒音防止に関する基本事項の検討
- 電気音響設備システム計画
3. 実施設計段階
遮音構造、ホールの室形状、内装条件、設備騒音の防止、電気音響設備システム設計などについて、具体的かつ詳細な検討および設計を行います。
- 遮音構造設計
- 防音扉の配置計画および仕様設定
- ホールの周辺各室の吸音処理計画および仕様設定
- ホール室形状の詳細検討(コンピュータ・シュミレーションを含む)
- ホール内装材配置の検討(残響計算)
- 音響模型実験(必要に応じて)
- 空調設備騒音防止設計(ダクト系消音設計)
- 設備の騒音・振動防止設計
- 電気音響設備設計に関するコンサルティング
4. 施工段階
施工段階における施工図面のチェックや、実際の施工現場での音響関連工事の監理・指導を行います。また、工場製作による設備機器などについては出荷時の工場検査を行います。
- 音響関連工事施工図のチェック
- 現場における音響関連工事の施工監理、指導
- 特殊音響材料の音響特性チェック
- 空調機の送風機発生騒音の検査・測定(工場出荷時検査)
- 電気音響設備機器の検査・測定(工場出荷時検査)
5. 音響検査
工事完了時において音響検査測定を行い、設計で意図されている音響性能が実現されているかどうかの検査を実施します。また音響的に必要な調整も合わせて行います。
- 遮音性能の測定
- 床衝撃音遮断性能の測定
- 室内音響特性の測定
- 設備騒音の測定
- 電気音響設備動作特性の測定および調整
6. 運用に関するコンサルティング
ホール、劇場等の文化施設の管理・運営部門をはじめとして、音楽事務所、公演マネジメント事務所、さらに個々のアーティストに至るまで、これまでの豊富な経験と実績に基づく数多くのネットワークを生かして、ホールの運営管理、公演の企画等に関する様々な情報提供などのコンサルティングを行います。
- ホール音響設備の調整、運用指導
- ホール技術スタッフの養成、指導
- 月刊ニュース発行による情報の提供